ワイナリー一覧
ワイナリー一覧
エペスの地で16世紀から受け継がれた スイス最古の家族経営の醸造所
1552年に創業したフォンジャラ家の醸造所、クロ・デュ・ラ・レピュブリックは、ラヴォー地区の雄大なぶどう畑のほぼ中心にあたるエペスにあります。スイス最古の家族経営の醸造所で、現在のオーナーは13代目にあたるパトリック・フォンジャラ氏。醸造所の庭はレマン湖を一望するテラスになっており、真下にカラマンのぶどう畑が広がっています。
フォンジャラ家の所有畑は34ヘクタール。エペスとカラマンのほか、デザレー、サン・サフォラン、ヴィレットのグラン・クリュ畑を所有し、モントルーにも畑を持っておられます。
フォンジャラ家は個々のグラン・クリュ畑のシャスラを中心に多彩なワインをリリースしていますが、醸造所の庭の延長でもある「カラマン」のシャスラは、パトリックさんにとって特に愛着がある、フォンジャラ醸造所のアイデンティティとでも言うべきワインです。
スイスには甘口ワインを生産する伝統がありませんでしたが、だからこそパトリックさんはそのようなワインを造りたいと考え、干して乾燥させたシャスラから造るデザートワイン、「パスリエ・ド・ラヴォー」を完成させました。今や、「パスリエ・ド・ラヴォー」はフォンジャラ家を代表するワインとなっています。
クロ・デュ・ラ・レピュブリックのアイデンティティとでも言うべき「カラマン」は、ラヴォー地区において希少なワインです。畑が全体で16ヘクタールしかないため、他のグラン・クリュ畑のワインと比べて生産量が格段に少ないのです。フォンジャラ家は、そのうちの3ヘクタールを所有しています。「カラマン」の畑は比較的低い斜面にあるため、気候的に有利であるほか、過去の土砂崩れにより堆積したロームを含む土壌が豊かで、エレガントさに力強さとスパイシーさのアクセントが加わります。
もうひとつ、フォンジャラ家ならではのワインと言えるのが、先述したデザートワイン、「パスリエ・ド・ラヴォー」です。モントルー地区で収穫されたシャスラを4カ月にわたって風通しの良い場所で乾燥させ、干しぶどう状にしてから圧搾して得られる濃厚な果汁を250リットル容量のフレンチオーク樽で醗酵させ、1年以上寝かせてからボトリングします。花梨のコンポートや熟したあんず、蜂蜜のようなテクスチュア、上品なバランスの良い甘みと酸味が至福のひとときをもたらしてくれます。低アルコールで非常に軽快な造りであるのも魅力。毎年3500本の限定生産です。
フォンジャラ醸造所は俳優のチャップリン氏が公式訪問したことでも知られています。当時小学生だったパトリックさんは、チャップリン氏との出会いを鮮明に覚えておられる。シャスラを愛したチャプリンはパトリックさんの父親が造ったワインを度々味わったことでしょう。
1552年に創業したフォンジャラ家の醸造所、クロ・デュ・ラ・レピュブリックは、ラヴォー地区の雄大なぶどう畑のほぼ中心にあたるエペスにあります。スイス最古の家族経営の醸造所で、現在のオーナーは13代目にあたるパトリック・フォンジャラ氏。醸造所の庭はレマン湖を一望するテラスになっており、真下にカラマンのぶどう畑が広がっています。
フォンジャラ家の所有畑は34ヘクタール。エペスとカラマンのほか、デザレー、サン・サフォラン、ヴィレットのグラン・クリュ畑を所有し、モントルーにも畑を持っておられます。
フォンジャラ家は個々のグラン・クリュ畑のシャスラを中心に多彩なワインをリリースしていますが、醸造所の庭の延長でもある「カラマン」のシャスラは、パトリックさんにとって特に愛着がある、フォンジャラ醸造所のアイデンティティとでも言うべきワインです。
スイスには甘口ワインを生産する伝統がありませんでしたが、だからこそパトリックさんはそのようなワインを造りたいと考え、干して乾燥させたシャスラから造るデザートワイン、「パスリエ・ド・ラヴォー」を完成させました。今や、「パスリエ・ド・ラヴォー」はフォンジャラ家を代表するワインとなっています。
クロ・デュ・ラ・レピュブリックのアイデンティティとでも言うべき「カラマン」は、ラヴォー地区において希少なワインです。畑が全体で16ヘクタールしかないため、他のグラン・クリュ畑のワインと比べて生産量が格段に少ないのです。フォンジャラ家は、そのうちの3ヘクタールを所有しています。「カラマン」の畑は比較的低い斜面にあるため、気候的に有利であるほか、過去の土砂崩れにより堆積したロームを含む土壌が豊かで、エレガントさに力強さとスパイシーさのアクセントが加わります。
もうひとつ、フォンジャラ家ならではのワインと言えるのが、先述したデザートワイン、「パスリエ・ド・ラヴォー」です。モントルー地区で収穫されたシャスラを4カ月にわたって風通しの良い場所で乾燥させ、干しぶどう状にしてから圧搾して得られる濃厚な果汁を250リットル容量のフレンチオーク樽で醗酵させ、1年以上寝かせてからボトリングします。花梨のコンポートや熟したあんず、蜂蜜のようなテクスチュア、上品なバランスの良い甘みと酸味が至福のひとときをもたらしてくれます。低アルコールで非常に軽快な造りであるのも魅力。毎年3500本の限定生産です。
偉大なシャスラを味わう人は、込められたヴィンテージの記憶をたずねる旅人
デザレーのもっとも海抜の高い一角に畑を持っているデュボワ家。デュボワ家のワインコレクションで最も評価の高いものが「デザレー・マルサンス」です。畑の近くに「マルサンスの塔」と呼ばれる13世紀に建設された塔があることから、ワインにこの名が付けられました。
クリスチャン氏の祖父・オスカル氏がここでワイン造りを始めたのは1927年のこと。その後発展を遂げ、醸造所が手狭になったため、1973年にレマン湖のほとりにあるキュイーの醸造所を手に入れます。通りの名前をとって「ル・プチ・ベルサイユ」の愛称で親しまれているこの醸造所は、1836年にフランス人の建築家が建てたもの。ゆったりとしたセラーでは、極上のシャスラがオークの大樽の中で静かに熟成しています。
デュボワ家では、祖父マルセル、父クリスチャン、そしてクリスチャンの2人の息子、フレデリックとグレゴワールの3世代でワイン造りに取り組んでいます。なかでも、シャスラについて最も熱く語ってくださるのはクリスチャン氏。クリスチャン氏は、自ら手がけた個々のヴィンテージの天候やぶどうの状態を昨日のことのように鮮明に覚えておられます。
デュボワ家の代表ワイン「デザレー・マルサンス」は、近年2つのスタイルがリリースされています。 収穫は同時期ですが、ひとつは樽で1年寝かせたもの、もうひとつは2年寝かせたものです。スイスでは、できあがったばかりのフレッシュなシャスラを好む人が多く、1年熟成のものは新しいヴィンテージを心待ちにしている飲み手に向けて造られています。さらに、2年熟成のものは、より個性の活きたワインを好む飲み手のために、シュール・リー製法を取り入れ、長期にわたって酵母と接触させて造られています。
「デザレー」のシャスラにはオークの大樽を使用しており、レ・フレール・デュボアには約8,000リットル容量の樽がいくつも並んでいます。
11 歳の時からぶどうの観察をはじめ、醸造家になることを決意。17 歳になると父親を手伝って畑に出るようになりました。情熱的な造り手
デザレーのもっとも海抜の高い一角に畑を持っているデュボワ家。デュボワ家のワインコレクションで最も評価の高いものが「デザレー・マルサンス」です。畑の近くに「マルサンスの塔」と呼ばれる13世紀に建設された塔があることから、ワインにこの名が付けられました。
クリスチャン氏の祖父・オスカル氏がここでワイン造りを始めたのは1927年のこと。その後発展を遂げ、醸造所が手狭になったため、1973年にレマン湖のほとりにあるキュイーの醸造所を手に入れます。通りの名前をとって「ル・プチ・ベルサイユ」の愛称で親しまれているこの醸造所は、1836年にフランス人の建築家が建てたもの。ゆったりとしたセラーでは、極上のシャスラがオークの大樽の中で静かに熟成しています。
デュボワ家では、祖父マルセル、父クリスチャン、そしてクリスチャンの2人の息子、フレデリックとグレゴワールの3世代でワイン造りに取り組んでいます。なかでも、シャスラについて最も熱く語ってくださるのはクリスチャン氏。クリスチャン氏は、自ら手がけた個々のヴィンテージの天候やぶどうの状態を昨日のことのように鮮明に覚えておられます。
デュボワ家の代表ワイン「デザレー・マルサンス」は、近年2つのスタイルがリリースされています。 収穫は同時期ですが、ひとつは樽で1年寝かせたもの、もうひとつは2年寝かせたものです。スイスでは、できあがったばかりのフレッシュなシャスラを好む人が多く、1年熟成のものは新しいヴィンテージを心待ちにしている飲み手に向けて造られています。さらに、2年熟成のものは、より個性の活きたワインを好む飲み手のために、シュール・リー製法を取り入れ、長期にわたって酵母と接触させて造られています。
「デザレー」のシャスラにはオークの大樽を使用しており、レ・フレール・デュボアには約8,000リットル容量の樽がいくつも並んでいます。
老舗ワイン商オブリスト社が100年の伝統を誇る自社醸造所で育む偉大なシャスラ
1854年創業のオブリスト社は、ヴォー州の伝統あるワイン商であり、長年にわたり独自の醸造所も営んでいます。自社醸造所のワインを販売するほか、スイス各地の他の醸造所のワインや世界各地の選りすぐりのワインを取り扱っています。
創業者はエマヌエル・オブリスト氏。同社は彼の息子、エミール・オブリスト氏の代に大きな発展を遂げました。1909年、彼はヴェヴェイに本格的な醸造所を建設。スイス西部のワイン業界の中心的存在となりました。
エミール・オブリスト氏は、高品質のワイン造りの基本は優れた自社畑を所有し、自らぶどう栽培を行うことであると確信し、近隣の醸造所と畑を購入し始めました。なかでも際立って優れたワインを生み出しているのが、1918年に購入したシャブレ地区の「クロ・ドゥ・ロシェ」です。
オブリスト社のワインコレクションの中で、同社の個性が最大限に活かされているのが、この「クロ・ドゥ・ロシェ」のシャスラです。総面積10ヘクタールのグラン・クリュで、オブリスト社のモノポール、栽培品種の98%がシャスラです。この畑はゴブレと呼ばれる古来からの1本仕立てで、栽培には根気強い手仕事が要求されます。
レマン湖の東端に近いイヴォルヌ村にある、著名な醸造所で造られている「クロ・ドゥ・ロシェ」。 伝統的な大型の木樽で醸造されていますが、その木樽には発酵温度をコントロールするための最新の冷却機能が備えつけられています。
「クロ・ドゥ・ロシェ」は、果実味と酸味のバランスが完璧で、清らかな味わいのワイン。白桃と黄桃の風味、品の良いミネラルが奏でる美しいハーモニー、凝縮感と余韻の長さが楽しめ、シャスラの本来あるべきスタイルが見事に表現されている理想的なワインです。
オブリスト社はレマン湖地域に数多くの小さなワイナリーを所有し、個性豊かなシャスラを生み出しています。今回は新しくコレクションに加わる、デザレーの畑を訪れました。
1854年創業のオブリスト社は、ヴォー州の伝統あるワイン商であり、長年にわたり独自の醸造所も営んでいます。自社醸造所のワインを販売するほか、スイス各地の他の醸造所のワインや世界各地の選りすぐりのワインを取り扱っています。
創業者はエマヌエル・オブリスト氏。同社は彼の息子、エミール・オブリスト氏の代に大きな発展を遂げました。1909年、彼はヴェヴェイに本格的な醸造所を建設。スイス西部のワイン業界の中心的存在となりました。
エミール・オブリスト氏は、高品質のワイン造りの基本は優れた自社畑を所有し、自らぶどう栽培を行うことであると確信し、近隣の醸造所と畑を購入し始めました。なかでも際立って優れたワインを生み出しているのが、1918年に購入したシャブレ地区の「クロ・ドゥ・ロシェ」です。
オブリスト社のワインコレクションの中で、同社の個性が最大限に活かされているのが、この「クロ・ドゥ・ロシェ」のシャスラです。総面積10ヘクタールのグラン・クリュで、オブリスト社のモノポール、栽培品種の98%がシャスラです。この畑はゴブレと呼ばれる古来からの1本仕立てで、栽培には根気強い手仕事が要求されます。
レマン湖の東端に近いイヴォルヌ村にある、著名な醸造所で造られている「クロ・ドゥ・ロシェ」。 伝統的な大型の木樽で醸造されていますが、その木樽には発酵温度をコントロールするための最新の冷却機能が備えつけられています。
「クロ・ドゥ・ロシェ」は、果実味と酸味のバランスが完璧で、清らかな味わいのワイン。白桃と黄桃の風味、品の良いミネラルが奏でる美しいハーモニー、凝縮感と余韻の長さが楽しめ、シャスラの本来あるべきスタイルが見事に表現されている理想的なワインです。
生涯をかけてシャスラを極める造り手 ラヴォーのワイン史はボヴァール家なしに語れない
創業300余年のドメーヌ、ルイ・ボヴァールは、ラヴォー地区のリーダー的存在のワイナリーです。キュイーのダルム広場に面したボヴァール邸は醸造所を兼ねており、薔薇色の壁が美しいことから「ラ・メゾン・ローズ」(薔薇色の館)と呼ばれています。
10代目にあたるルイ=フィリップさんは、シャスラという品種とラヴォー地区の土壌に精通した学者肌の造り手で、ラヴォーの生き字引的な存在として人々の尊敬を集めています。グラン・クリュ委員会の会長としてラヴォー地区の畑の格付けに尽力されたほか、シャスラの研究財団を立ち上げ、ラヴォー地区の造り手たちが将来の気候変動にどう対応すべきかを探っておられます。
造り手にとって、「デザレー」のシャスラを生産することは大いなる挑戦です。ルイ=フィリップさんも長年にわたり、さまざまな挑戦を続けてこられました。ボヴァール家のデザレーの崇高さは、礫岩と砂岩とで構成される3000万年前の土壌のほか、栽培方法がその鍵となっています。
ルイ=フィリップさんのシャスラの最高峰である「デザレー・メディネット」はブドウ樹の7割がゴブレと呼ばれる伝統的な1本仕立てで栽培されています。非常に手間がかかる栽培方法ですが、密植が可能であるため、一般的な垣根栽培法よりも、より優れた品質のぶどうが収穫できます。
「ラヴォー デザレー グラン・クリュ メディネット」はデザレー内の複数の区画の選り抜きのシャスラをオークの大樽で醸しています。木樽で醸すと、ワインが木肌を通して微かに空気と接触するため、安定した品質のワインが生まれるのです。
白い花の香りが芳しく、引き締まった清々しい味わいで、すでにその真価が世界で認められています。「ラヴォー デザレー グラン・クリュ メディネット」は、シャスラの知名度を高めることに貢献してきた歴史的にも重要なワインなのです。
創業300年のドメーヌを率いるルイ= フィリップ氏は、探究心旺盛な造り手。4年前にシャスラ種の研究財団を立ち上げ、ぶどうの研究も行っています。ラヴォー地区の土壌とシャスラについて豊富な知識と経験を持ち、後続する醸造家たちの尊敬を集めています。
創業300余年のドメーヌ、ルイ・ボヴァールは、ラヴォー地区のリーダー的存在のワイナリーです。キュイーのダルム広場に面したボヴァール邸は醸造所を兼ねており、薔薇色の壁が美しいことから「ラ・メゾン・ローズ」(薔薇色の館)と呼ばれています。
10代目にあたるルイ=フィリップさんは、シャスラという品種とラヴォー地区の土壌に精通した学者肌の造り手で、ラヴォーの生き字引的な存在として人々の尊敬を集めています。グラン・クリュ委員会の会長としてラヴォー地区の畑の格付けに尽力されたほか、シャスラの研究財団を立ち上げ、ラヴォー地区の造り手たちが将来の気候変動にどう対応すべきかを探っておられます。
造り手にとって、「デザレー」のシャスラを生産することは大いなる挑戦です。ルイ=フィリップさんも長年にわたり、さまざまな挑戦を続けてこられました。ボヴァール家のデザレーの崇高さは、礫岩と砂岩とで構成される3000万年前の土壌のほか、栽培方法がその鍵となっています。
ルイ=フィリップさんのシャスラの最高峰である「デザレー・メディネット」はブドウ樹の7割がゴブレと呼ばれる伝統的な1本仕立てで栽培されています。非常に手間がかかる栽培方法ですが、密植が可能であるため、一般的な垣根栽培法よりも、より優れた品質のぶどうが収穫できます。
「ラヴォー デザレー グラン・クリュ メディネット」はデザレー内の複数の区画の選り抜きのシャスラをオークの大樽で醸しています。木樽で醸すと、ワインが木肌を通して微かに空気と接触するため、安定した品質のワインが生まれるのです。
白い花の香りが芳しく、引き締まった清々しい味わいで、すでにその真価が世界で認められています。「ラヴォー デザレー グラン・クリュ メディネット」は、シャスラの知名度を高めることに貢献してきた歴史的にも重要なワインなのです。
ヴォー州産ワインの最高峰の一つ「シュマン・ド・フェール」の造り手
ラ・メゾン・マシーは、ラヴォー地区エペスの家族経営の醸造所です。1903年、エペスにドメーヌを創業したのは、ジュー峡谷からレマン湖地域にやってきた、アルベルト・マシー氏でした。アルベルト氏は2代目のジャン=フランソワ氏とともにラヴォー地区の優れた畑を少しずつ拡大し、1919年にはデザレーに隣り合うエペスの畑「クロ・ドゥ・ボー」に邸宅も購入します。
1630年に建てられたという邸宅はヴォー州を支配していたベルンの裕福な一族が所有していたもので、それを修復し、一家の拠点にされています。
3代目のリュック氏は、先代から受け継いだ偉大なブドウ畑から洗練されたシャスラを生産し続け、現在は4代目の長男・グレゴリー氏、次男・ベンジャミン氏とともにワイン造りに取り組んでいらっしゃいます。
マシー家のアイデンティティとでもいうべきワインが、エペスの「クロ・ドゥ・ボー」とデザレーの「シュマン・ド・フェール」です。「クロ・ドゥ・ボー」は石垣に囲まれた庭園のような優雅な畑、「シュマン・ド・フェール」は「鉄道」を意味しています。マシー家がデザレーに所有する畑は急斜面のふもと、レマン湖の至近距離にあるのですが、19世紀後半に敷設された鉄道の周囲に分散しているため、ワインにこの名がつけられました。
「シュマン・ド・フェール」のぶどうが栽培されている畑は、いずれも湖の反射光や熱を充分に受けることができ、堅固な礫岩の間のマールや粘土、砂岩が多い柔らかな土壌であるため、独特のニュアンスを持ったワインができるのです。
同じシャスラでありながら「シュマン・ド・フェール」と「クロ・ドゥ・ボー」は異なる個性を放っています。
「クロ・ドゥ・ボー」は肥沃な重めの土壌ゆえにリッチな味わいのシャスラ。「シュマン・ド・フェール」は軽めの土壌で、シャスラに蜜のような風味があらわれ、ミネラル感があり、深みのある味わいが特徴です。
優れたシャスラがそうであるように、「シュマン・ド・フェール」もボトリングから約1年を経て飲み頃になります。その頃には、ワインの持つ多彩なアロマ、火打石の仄かな香り、シルキーなテクスチュアなど、本来のエレガンスが発揮されるようになります。長期熟成に向き、味わいの変化を楽しめるシャスラです。
リュック氏は、これら2つの畑を所有していることを「この上ない幸運だ」と話しています。
マシー父子の造る「シュマン・ド・フェール」は、デザレーの中でも、最もレマン湖に近い一角で造られています。「偉大なシャスラは最低1 年は寝かせてから味わってください」とリュックさん。
ラ・メゾン・マシーは、ラヴォー地区エペスの家族経営の醸造所です。1903年、エペスにドメーヌを創業したのは、ジュー峡谷からレマン湖地域にやってきた、アルベルト・マシー氏でした。アルベルト氏は2代目のジャン=フランソワ氏とともにラヴォー地区の優れた畑を少しずつ拡大し、1919年にはデザレーに隣り合うエペスの畑「クロ・ドゥ・ボー」に邸宅も購入します。
1630年に建てられたという邸宅はヴォー州を支配していたベルンの裕福な一族が所有していたもので、それを修復し、一家の拠点にされています。
3代目のリュック氏は、先代から受け継いだ偉大なブドウ畑から洗練されたシャスラを生産し続け、現在は4代目の長男・グレゴリー氏、次男・ベンジャミン氏とともにワイン造りに取り組んでいらっしゃいます。
マシー家のアイデンティティとでもいうべきワインが、エペスの「クロ・ドゥ・ボー」とデザレーの「シュマン・ド・フェール」です。「クロ・ドゥ・ボー」は石垣に囲まれた庭園のような優雅な畑、「シュマン・ド・フェール」は「鉄道」を意味しています。マシー家がデザレーに所有する畑は急斜面のふもと、レマン湖の至近距離にあるのですが、19世紀後半に敷設された鉄道の周囲に分散しているため、ワインにこの名がつけられました。
「シュマン・ド・フェール」のぶどうが栽培されている畑は、いずれも湖の反射光や熱を充分に受けることができ、堅固な礫岩の間のマールや粘土、砂岩が多い柔らかな土壌であるため、独特のニュアンスを持ったワインができるのです。
同じシャスラでありながら「シュマン・ド・フェール」と「クロ・ドゥ・ボー」は異なる個性を放っています。
「クロ・ドゥ・ボー」は肥沃な重めの土壌ゆえにリッチな味わいのシャスラ。「シュマン・ド・フェール」は軽めの土壌で、シャスラに蜜のような風味があらわれ、ミネラル感があり、深みのある味わいが特徴です。
優れたシャスラがそうであるように、「シュマン・ド・フェール」もボトリングから約1年を経て飲み頃になります。その頃には、ワインの持つ多彩なアロマ、火打石の仄かな香り、シルキーなテクスチュアなど、本来のエレガンスが発揮されるようになります。長期熟成に向き、味わいの変化を楽しめるシャスラです。
リュック氏は、これら2つの畑を所有していることを「この上ない幸運だ」と話しています。
シャブレー地区のポテンシャルを最大限に引き出す造り手
レマン湖東端のローヌ峡谷への入り口に位置するシャブレー地区は、イヴォルヌやエーグルを中心に高品質なシャスラの銘醸地として知られています。
イヴォルヌの「ド・ラ・ピエール・ラタン」は、15年にわたりイヴォルヌ市長を務めたフィリップ・ジェックス氏が、各地の著名なワイナリーにてワイン造りを学んだ後に一代で築き上げた醸造所です。現在は、製薬大手ロシュ社の管理委員会副会長であるアンドレ・ホフマン氏との共同経営で、優れたワインを世に送り出しています。
ジェックス氏が所有するモノポール畑のなかでも特に高く評価されるのが、イヴォルヌの南隣のエーグル地区にある「クロ・デュ・クロゼ・グリエ」です。太陽の恵みを存分に受ける円形劇場を思わせる形の畑は、中世に修道士たちが作り上げたもので、かつては英国首相を生んだチャーチル家の縁戚が所有していたんだとか。
常にイヴォルヌのワインの品質向上とブランド化に力を入れてきたジェックス氏は、2015年に村長を辞めてからは、自身のワイン造りに専念しておられます。
伝統に基づきながらも、最新の技術を駆使したワイン造りを得意とするジェックス氏。自然界に内包される力を引き出す「ビオディナミ農法」の実践に加え、近年ではオーガニック基準の保護剤をドローンで散布するという、スイス初の試みも取り入れています。
環境に最大限配慮しながら現代のテクノロジーの利点を十分に生かすという、固定概念にとらわれないワイン造りが評価され、ゴ・エ・ミヨ社から優れた生産者へ贈られる「MEILLEURSVIGNERONS DE SUISSE」にも2年連続で選出されています。
イヴォルヌを拠点に、ド・ラ・ピエール・ラタンを立ち上げ、一代でヴォー州のトップワイナリーに育てたジェックス氏。
レマン湖東端のローヌ峡谷への入り口に位置するシャブレー地区は、イヴォルヌやエーグルを中心に高品質なシャスラの銘醸地として知られています。
イヴォルヌの「ド・ラ・ピエール・ラタン」は、15年にわたりイヴォルヌ市長を務めたフィリップ・ジェックス氏が、各地の著名なワイナリーにてワイン造りを学んだ後に一代で築き上げた醸造所です。現在は、製薬大手ロシュ社の管理委員会副会長であるアンドレ・ホフマン氏との共同経営で、優れたワインを世に送り出しています。
ジェックス氏が所有するモノポール畑のなかでも特に高く評価されるのが、イヴォルヌの南隣のエーグル地区にある「クロ・デュ・クロゼ・グリエ」です。太陽の恵みを存分に受ける円形劇場を思わせる形の畑は、中世に修道士たちが作り上げたもので、かつては英国首相を生んだチャーチル家の縁戚が所有していたんだとか。
常にイヴォルヌのワインの品質向上とブランド化に力を入れてきたジェックス氏は、2015年に村長を辞めてからは、自身のワイン造りに専念しておられます。
伝統に基づきながらも、最新の技術を駆使したワイン造りを得意とするジェックス氏。自然界に内包される力を引き出す「ビオディナミ農法」の実践に加え、近年ではオーガニック基準の保護剤をドローンで散布するという、スイス初の試みも取り入れています。
環境に最大限配慮しながら現代のテクノロジーの利点を十分に生かすという、固定概念にとらわれないワイン造りが評価され、ゴ・エ・ミヨ社から優れた生産者へ贈られる「MEILLEURSVIGNERONS DE SUISSE」にも2年連続で選出されています。